Soleá:フラメンコの主要な曲種、その派生、地域差、名称について

flamenco

1. はじめに

フラメンコは、スペイン、特にアンダルシア地方に起源を持つ、歌(カンテ)、ギター演奏(トケ)、踊り(バイレ)が一体となった芸術形式です。この芸術を構成する基本的な要素の一つが「パロ」と呼ばれる曲種であり、それぞれが独自のリズム、旋律、感情表現を持っています。

数多くのパロの中でも、ソレアは最も基本的かつ重要なものの一つとされ、「フラメンコの母」と称されることもあります。この比喩は、ソレアが歴史的に重要であるだけでなく、その核心的な特徴が多くの他のフラメンコの形式に受け継がれ、適応されてきたことを示唆しています。

本稿では、スペイン語圏の情報源に基づき、この重要なパロであるソレアの派生、演奏や特徴における地域差、そして関連する名称について包括的に考察します。ソレアの起源と歴史的背景を探り、そこから派生した他のフラメンコの形式を特定し、スペイン各地、特にアンダルシア地方における演奏スタイルや特徴の違いを詳細に検討します。

2. ソレアの歴史的起源と発展

「ソレア」という言葉の語源は、スペイン語の「ソレダード(soledad)」、つまり孤独を意味する言葉に由来すると考えられています。この語源は、ソレアの歌詞や音楽性においてしばしば反映される、孤独、憂鬱、そして深い感情といったテーマとの根源的なつながりを示唆しています。

19世紀にアンダルシア地方で生まれたソレアは、当時の進化する音楽的伝統、特に社会文化的背景の中でその形を成しました。ソレアは、アンダルシアの初期の民俗音楽、特に「ハレオ」と呼ばれる形式から派生しました。このハレオは、ホタ、ファンダンゴ、セギリーヤという三つの異なる歌の形式が組み合わさったものでした。

ソレアの系譜を理解することは、それが受け継ぎ、独自の形式へと変容させた音楽的要素やリズムパターンを特定する上で役立ちます。その初期の発展に関連する主要な場所としては、カディスとセビリア(特にトリアナ地区)が挙げられます。これらの地域におけるソレアの地理的な集中は、その特徴と普及を形作る上で、特定の地域のフラメンコの中心地の重要性を示しています。

興味深いことに、ソレアはもともと踊りの伴奏として機能していましたが、次第に鑑賞のための歌(「カンテ・パラ・エスクチャール」)へと変化しました。この変化は、ソレアの音楽的な複雑さと感情的な表現力の深化を示しており、純粋に機能的な踊りの役割を超えて、より大きな芸術的探求を可能にしました。この進化の初期の重要な人物としては、パキリ・エル・グアンテやマリア・ラ・アンドンダなどが挙げられます。

3. ソレアの音楽構造と特徴

ソレアの最も特徴的な要素の一つが、12拍子のコンパスです。これはしばしば6/8拍子と3/4拍子が組み合わされたものとして説明されます。この複雑なリズム構造はソレアを定義する特徴であり、異なるコンパスを持つ他のパロとは一線を画します。

拍子123456789101112
強拍

ソレアの典型的なテンポは遅く、重いとされており、同じコンパスを共有するより速いパロとは対照的です。この遅いテンポは、ソレアの厳粛で深遠な性格に大きく貢献しており、感情的な深みとニュアンスのある表現を可能にしています。

ソレアで一般的に使用される旋法はフリギア旋法(しばしばE音を主音とする「ポル・アリバ」)であり、その特徴的な響きを生み出しています。フリギア旋法は多くのフラメンコ音楽の顕著な特徴であり、ソレアにおけるその存在は、伝統的なフラメンコの音調と感情表現とのつながりを強化します。

ソレアの旋律の輪郭は、しばしば質素でありながらも深く感情的であると描写され、歌い手による声の揺れ(キエブロス)や休止の使い方が強調されます。この描写は、ソレアにおいては装飾よりも表現力が優先される、歌唱の重要性と感情的な強さを際立たせています。

ソレアの伝統的な演奏構造は、以下の部分から構成されています:

  • ギターの導入部
  • アジェオ(ヴォカリーズ)
  • カンテ・デ・プレパラシオン(準備の歌)
  • カンテ・バリエンテ(勇敢な歌)
  • レマテ(終結部)

この構造を理解することは、ソレアの演奏の展開と、歌い手、ギタリスト、踊り手といった異なる演奏家の役割を理解するための枠組みとなります。

ソレアの典型的な歌詞構造は、アソナンシアまたはコンソナンシアの韻を持つ3つまたは4つの8音節の詩節(コプラ)です。歌詞の詩形は、しばしば悲しみ、喪失、内省といったテーマを伝えるソレア全体の芸術的表現に貢献しています。

4. ソレアから派生したフラメンコの形式

ソレアはフラメンコの基礎的なパロと見なされており、多くの重要な形式がソレアから派生したり、強い関連性を持っています。これらの派生形式を理解することは、フラメンコの進化と多様性を理解する上で不可欠です。

ブレリアス(Bulerías)

ソレアとブレリアスは12拍子のコンパスを共有していますが、ブレリアスはより速く、祝祭的で、即興的な性質を持つ点で対照的です。この対比は、基本的なリズム構造が、テンポや演奏スタイルを変えることによって、大きく異なる表現を生み出すことができることを示しています。

カンティーニャス(Cantiñas)

アレグリアス、ロメラス、ミラブラーシュ、カラコレスを含むこれらの形式はソレアと同じコンパスを共有することが多いですが、一般的に明るく、祝祭的な性格を持っています。特にアレグリアスはカディスに起源を持ち、より速いテンポを持っています。これは、基本的なリズム構造を保持しながら、異なる感情表現がフラメンコの中でどのように発展してきたかを示しています。

ソレア・ポル・ブレリアス/ブレリアス・ポル・ソレア

このハイブリッド形式は、ソレアの和声構造とブレリアスのリズム(またはその逆)を組み合わせたものであり、二つのパロの中間的な位置を占めています。これは、フラメンコのパロの流動性と相互のつながりを示しており、要素を混合することで新たな表現の可能性と中間的な形式が生まれることを示しています。

ソレア・アポラー(Soleá Apolá)

これはポロ(別のパロ)を締めくくる方法として始まり、トリアナと関連付けられています。これは、機能的な音楽的慣習が、明確なパロの発展につながることがあること、そして地域スタイルが他の形式の終わり方にさえ影響を与える可能性があることを示しています。

ソレア・ペテネーラ(Soleá Petenera)

ペテネーラ(起源が議論されており、ラテンアメリカの影響も考えられるパロ)が、特定のソレアのスタイルに影響を与えている可能性があり、特定の旋律的および和声的特徴が見られます。これは、フラメンコ内の影響の複雑な網を示しており、基礎的なパロでさえ、他の形式、外部起源のものを含む、によって形作られる可能性があることを示しています。

ファンダンゴ・ポル・ソレア(Fandango por Soleá)

ファンダンゴはソレアのリズムと旋律の特徴を持って演奏されることがあります。これは、あるパロの表現力が別のパロに適用され、バリエーションを生み出し、フラメンコ内の演奏の可能性を広げる方法を示しています。

アルボレア(Alboreá)

ジプシーコミュニティ内の結婚式の祝典に関連して、特にソレアとの関連性、そしてリズム的および旋律的な類似性が見られます。これは、フラメンコのパロの社会的および文化的役割を強調しており、特定の形式がコミュニティ内の特定のイベントや伝統に関連付けられていることを示しています。

5. ソレアの解釈における地域差

ソレアはアンダルシア地方の各地で独自の発展を遂げ、それぞれが異なる特徴と演奏スタイルを持っています。これらの地域差を理解することは、ソレアというパロの豊かさと多様性を認識する上で重要です。

ソレア・デ・トリアナ(セビリア)

最も重要なバリアントと見なされています。セビリアのトリアナ地区で、ラ・アンドンダのおかげで最高の表現に達しました。学者たちは、純粋なヒターナ(ジプシー)スタイルと、よりアンダルシア的な「アポラー」を区別しています。トリアナの卓越性は、フラメンコのパロの進化と多様化における特定の都市の中心地の役割を強調しています。

ソレア・デ・カディス

ソレアスタイルの起源と見なされています。登録されているスタイルの数ではトリアナに次ぐ第2位です(17種類)。エンリケ・エル・メリーソやパキリ・エル・グアンテといった影響力のある人物がいます。より短く、「塩辛い」(サレロサス)と特徴付けられています。カディスが起源であるという主張は、この都市がフラメンコの発祥地としての重要性を強調しています。

ソレア・デ・ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ

パロの総合と見なされており、そのすべての特徴を包含し、歌詞よりも音楽に重点を置いています。主要な演奏家には、クーロ・フリホーネスとホセ・イヤンダが含まれます。旋律が豊かです。ヘレスが「総合」としての役割を果たすことは、ソレアの核心的な要素の集中と洗練を示唆しており、おそらくパロの発展の後期段階において、その本質的な特徴が統合されたことを示しています。

ソレア・デ・アルカラ・デ・グアダイラ

より遅く、より荘厳なバージョンのパロであり、ホアキン・エル・デ・ラ・ポーラによって有名になりました。彼のスタイルの穏やかさは、キューバ戦争での経験に起因する可能性があります。彼の甥であるフアン・タレガも重要な演奏家です。しばしば導入部のスタンザとして使用されます。この地域差は、個人的な経験や地域ごとの好みがパロの解釈をどのように形作るかを示しています。

ソレア・デ・ウトゥレラ

ヘレスのソレアのバリアントとしてウトゥレラで発展し、フェルナンダ・デ・ウトゥレラによって有名になりました。これは、主要な中心地だけでなく、それらに影響を受けた町からもバリエーションが生まれる、地域差のさらなるレベルを示しています。

ソレア・デ・コルドバ

その歌詞が特徴であり、模範的で哲学的であり、コルドバの知恵に満ちていると見なされています。旋律的には、メリスマ、より長いフレーズ、「リガード」奏法の欠如が特徴です。トリアナのソレアの派生と見なされています。コルドバの独自性は、その歌詞の内容と特定の旋律の扱いにあり、地域ごとの文化的価値観と音楽的嗜好がパロをどのように形作るかを示しています。

ソレア・デ・レブリハ

トリアナのソレアの派生であり、エル・レブリアーノとフアニキン・デ・レブリハが主要な演奏家です。ウトゥレラと同様に、これはトリアナのような主要な中心地の影響が他の町にも及んでおり、地元の人物が特定のバリエーションの発展と普及に貢献していることを示しています。

グラナダのソレア

他のアンダルシアの都市のように独自の特徴を持つスタイルとして明確に詳述されていませんが、グラナダはソレアが演奏される場所として言及されています。グラナダのタブラオ「ラ・ソレア」は、この都市のフラメンコシーンにおけるパロの強い存在を示唆しています。グラナダのフラメンコの伝統は豊かであり、グラナイーナやメディア・グラナイーナのようなスタイルが著名です。

6. ソレアの名称と用語

フラメンコの用語は時に複雑になることがありますが、ソレアに関連する名称と用語を理解することは、その議論を明確にする上で不可欠です。

  • **「ソレア」(単数形)と「ソレアレス」(複数形)**は、このパロを指す際に交換可能に使用されることを明確にしておくことが重要です。
  • **「ソレアリヤ」**はソレアの派生形であり、旋律が短縮され、最初の詩が4音節に短縮されたものです。
  • その他の代替名や記述的な用語:
    • 「ソレア・グランデ」(4行詩)
    • 「ソレア・コルタ」(短い)
    • 「ソレア・デ・カンビオ」(異なるキーで終わる)
    • 「ソレア・デ・スラーケ」(陶工に関連する)
  • **「ソレア・アル・ゴルペ」または「ブレリアス・アル・ゴルペ」**という用語は、ブレリアス・ポル・ソレアの代替名として言及されており、ソレアとのリズム的なつながりを強調しています。

7. 結論

本稿では、スペイン語圏の情報源に基づき、フラメンコの主要な曲種であるソレアについて、その派生、地域差、名称を詳細に検討しました。ソレアは、孤独を意味する「ソレダード」に語源を持つ可能性があり、19世紀にアンダルシア地方でハレオという形式から発展しました。

フラメンコの「母」とも称されるソレアは、12拍子の複雑なコンパス、遅く重いテンポ、フリギア旋法、感情豊かながらも質素な旋律、そしてギターの導入部、アジェオ、カンテ・デ・プレパラシオン、カンテ・バリエンテ、レマテという伝統的な構造を持っています。

ソレアからは、ブレリアス、カンティーニャス、ソレア・ポル・ブレリアス/ブレリアス・ポル・ソレア、ソレア・アポラー、ソレア・ペテネーラ、ファンダンゴ・ポル・ソレア、アルボレアといった多様なパロが派生しています。これらの派生形式は、ソレアの基本的なリズムや旋律の要素を受け継ぎながらも、独自の表現や特徴を発展させてきました。

アンダルシア地方各地では、ソレアは独自の地域色を帯びた演奏スタイルを見せています。トリアナのソレアは最も重要とされ、カディスのソレアは起源とされ、ヘレスのソレアはパロの総合と見なされています。アルカラ・デ・グアダイラのソレアは遅く荘厳であり、ウトゥレラ、コルドバ、レブリハにも独自のスタイルが存在します。

ソレアを指す用語としては、「ソレアレス」が交換可能に使用され、「ソレアリヤ」は旋律の短い派生形です。「ソレア・グランデ」や「ソレア・コルタ」といった記述的な名称や、「ソレア・アル・ゴルペ」のような代替名も存在します。

ソレアはフラメンコの根幹をなすパロとして、その後の芸術形式の進化を形作り、現代のフラメンコの演奏においてもその重要性と影響力を維持し続けています。今後の研究では、各地域スタイルのニュアンスや、個々の演奏家がソレアの進化に与えた具体的な貢献について、より深く掘り下げることが考えられます。